『長彦と丸彦』8回目
『長彦と丸彦』8回目、これで8回目ですが、続きは青空文庫でお願いします。
顔丸の丸彦は、すぐに庭へおりていって、その強い力で、梅の木の根のまわりを、深く掘りはじめました。
梅の花がはらはらとちりました。顔長の長彦は、その花をじっと眺めていました。
がちりと、何か鍬(くわ)の先にあたったものがありました。それからまた、がちりがちりと、鍬は少しもとおりません。丸彦はそのへんを掘りひろげました。よく見ると、そこには大きな石のふたがありました。やっとのことで、その石のふたをとりのけますと、下は石の箱になっていまして、その中にまた、大きな木の箱がありました。箱のふたをあけると、丸彦はびっくりして声をたてました。長彦も息をのみました。
大きな箱の中には、金銀や宝ものがいっぱいつまっていたのです。
梅(うめ)の木のわけが、ようやくふたりにもわかりました。両親は家のためを思って、万一の時の用意に、そこにたくさんの財産を埋めておいてくれたのです。
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